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【冤罪か!?】袴田死刑囚 収監42年世界一、ギネス記録

1966年に清水市(現静岡市清水区)で起きた強盗殺人「袴田事件」の袴田巌(はかまだいわお)死刑囚
(77)が「世界で最も長く収監されている死刑囚」としてギネス世界記録に認定されたことが分かった。
第2次再審請求中の弁護団は「世界が、袴田死刑囚の境遇に関心を抱いていることを知ってほしい」と
している。

英ギネスワールドレコーズの日本法人などによると、75歳の誕生日である11年3月10日付で、
独自調査に基づき同社が認めた。認定の対象は、1審・静岡地裁で死刑判決を受けた68年9月11日から、
2010年1月1日の「42年間」。ただし今も東京拘置所に収監中だ。

死刑確定後の拘束期間は名張毒ぶどう酒事件の奥西勝死刑囚(87)らの方が長いが、
1審判決以降「死刑囚としての拘束」が続いているとして、袴田死刑囚が最長と判断した。

ソース
http://mainichi.jp/select/news/20130409mog00m040010000c.html

【袴田事件とは?】
 その夜の出来事

死体は四体。石油のような油をかけられ、火をつけられたので、四体とも黒焦げだった。
もちろん家屋も焼失した。

火災が起きたのは、一九六六年六月三〇日の午前二時少し前である。場所は静岡県清水市横砂。
惨劇は、味噌製造会社専務の居宅兼事務所で起きた。殺されたのは、専務(41)の他、妻(38)、
次女(17)、長男(14)の四人。長女は、別棟に寝ていたので助かった。                      
メッタ刺しにされた死体の刺し傷はあまりに多く、正確な数はわからない。四人の傷の総計は、
少なくとも四五ヵ所。警察は、焼け跡から発見されたクリ小刀一本を凶器としたが、
先端がわずかに折れていただけだった。刃こぼれもしていない。また、警察の調査によると、
約八万円のカネが奪われたというが、橋本家にあった多額の金品は、手つかずに残されていた。

 アリバイ

「こがね味噌」の従業員だった袴田巌さん(30)は、仕事が終って夕食の後、
橋本家に近接した工場の二階にある寮の自室に帰った。同僚と将棋をさした後、テレビドラマを見た。
午後一一時過ぎ、パジャマに着替え、消灯し寝た。

消防車のサイレンの音で目がさめた。グッスリ寝こんでいたので、しばらくの間ウトウトした。
「店が火事だ」という隣の部屋にいた同僚の叫び声に飛び起き、パジャマのまま自室を出て駆け降りた。
気持ちが動転していたが、とにかく水をかけなければと思い、工場の中でバケツを探した。
同僚が「消化器、消化器」と大声で駆けてきたので、一緒に探したが見つからない。
やっと消火栓に取り付けるホースを見つけ、同僚たちとホースの束を持って、事務室の前にある
消火栓に走った。土蔵の後ろにある物干台に上り、屋根によじのぼった。足をすべらして落ちた時、
ブリキか何かで左手の中指に怪我をした。火事は二〇分程で鎮火した。
消火作業中に水をかけられズブ濡れになった。

その後自室に戻った袴田さんは、とりあえず中指の怪我の出血を止めるために、手ぬぐいを引き裂いて
縛った。消毒をしなかったので、後に傷跡が化膿して医者に見てもらうことになった。

これが事件当夜の袴田さんの取った行動のすべてである。
アリバイは完ぺきで、袴田さんと事件との関係は皆無だった。

 自白の強制

八月一八日、袴田巌さんが逮捕された。彼は一九日間、無実を主張し続けたが、連日の厳しい取り調べに、
モウロウとした状態になり、ついに九月六日、警察の筋書き通りの犯行を自供させられた。
その内容は、おおよそ次のようなものであった。

六月三〇日の午前一時過ぎ、クリ小刀をパジャマのズボンのヒモに落としざしにして、寮の自室を出た。
隣家の楓の木から専務宅の倉庫の屋根に移り、雨樋(あまどい)を伝って中庭に降り、侵入した。
家人に発見され、専務を殴り倒し、専務以下四人をクリ小刀で殺害、現金を強奪した。
その後死体に混合油を振りかけ、マッチで火をつけて逃げたというのである。
罪名は「住居侵入、強盗殺人、放火」だった。

しかし、この自白を裏付ける物的証拠は何もなかった。警察は、袴田さんを容疑者ときめつける物的証拠を
何も発見していなかったのである。元プロボクサーだから「やりかねない」という先入観が、
捜査官の頭を支配したらしい。警察の内部文書にも、こう書いてある。

「本件は、被告人の自白を得なければ、真相は握が困難な事件であった」。

則ち話は逆なのである。警察は、袴田さんに嫌疑をかけ、逮捕する充分な証拠は何一つ発見して
いなかったのである。

こうなれば捜査官は、無理やり袴田さんの「自白」をとる以外に手はなかった。
一日の取り調べ時間は、平均一二時間。最高は、実に一七時間にのぼった。
袴田犯人説は、警察の拷問が作り出した虚構であることは明白だった。




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